私は、深層心理として"会社に"安定を求めて、転職を繰り返してきました。
現在が4社目です。履歴書を見た方は「この人大丈夫?」と心配になることでしょう。
新卒で就職したのは地方銀行。安定の代名詞のような就職先です。
なぜ銀行を辞めたくなったかの詳細は別で紹介しますが、営業にやりがいを見出し、一方で堅確な事務によって営業活動が阻害されていると感じました。
離職率が高く、残っている人の多くは銀行にぶらさがることに必死な人。確たる自己を持つ人は皆外へ出てしまいます。もしくは病んでしまうか。
そもそも事務処理は銀行内でのスキルであって、一歩外に出たら何の役にも立たない。むしろどこに行っても営業として通用する人材になりたい。
そう考えて、ベンチャーから大企業に移ろいつつあるWeb系の会社に転職しました。
2社目は1年で辞めました。
営業からすぐに営業企画へ異動となりましたが、面倒を見ていた営業部隊があまりにもアナーキーで、起こるべくしてトラブルばかり起こしていました。
コンプライアンス重視の銀行で生きた私としては信じられないような環境。
ここで学べることはないと考えた一方、営業企画の仕事は勤まったので、次の会社でゼネラリストになりたいと思いました。
そこで年功序列・終身雇用が色濃く残っていそうなIT系の会社に再度転職しました。
3社目は、今度こそやっと落ち着くものだと思っていましたが、日増しに強烈な違和感が膨れ上がっていきます。
ジョブローテがなく、同じ部署でだらだらと数字を積み上げながらゆるゆる上にのぼっていく人達。
属人化の極み。CRMも箱だけで、ナレッジも貯まらない中、同じ仕事を惰性で回していれば取れるであろう一定の数字で評価されていく職場。
そして営業以外の部署にも、自分で課題解決を考え行動に移せる人がおらず、会社として何も改善されません。
というかヤフーニュースとか見ていて暇そう。
彼らもまたジョブローテはなく、生産性のない日々の中ぬるま湯に浸かっていました。
彼らを見て、私は自分が望んだゼネラリストはどこでも通用する人材ではないという現実に直面しました。
同時に営業組織が仕組み化されていないことへの強い課題感が生まれました。
上司に時間をもらい、営業組織に感じる課題と解決策について進言しました。
この会社で一番怒られました。
彼らのぬるま湯の温度を変えるような申し出へのわかりやすい拒絶反応。
失うものがもうないというくらい絶望的な気持ちになってようやく冷めた頭で考えることができたのです。
ここまで来てようやく、当初の自分の「どこでも通用する人材になりたい」という当初のコンセプトと、ゼネラリストになりたいという考えがそもそも相反する要素だったことに気づきました。
簡単に言えば、無意識のうちに会社に安定を求めていたのです。
しかし真の安定は自分の市場価値を上げること。市場価値を上げる=即戦力で、それがどこでも通用する人材です。
つまり色々な部署や職種を転々とするゼネラリストは、社内での価値はあっても市場価値はありません。
私は3回目の転職をしました。
営業が自分に合っているのかはさておき、新卒からほぼ営業畑だった為、売り物にできる唯一の経験は営業です。これを追求していく以外に道はない。
そして今までの組織で、共通して営業が仕組化されていないことへの課題意識がありました。
今回の転職では営業を仕組としてマネジメントできるスキルを身に着けられるルートに軌道修正したい。そして環境を変えたい理由として最も大きいのは、壁当てできる環境がほしかったのです。
履歴書が荒れてきて採用されるまでになかなか苦労しましたが、今では20代後半でよかったと思います。
回り道をしすぎた反省を厳しくもギリギリ受け入れてもらえる年齢ですし、まだ役職もついておらずそもそも市場価値が低い状態だったので待遇面でも年収が減ることはありませんでした。
そして4社目では、マネジメントスキルを有する上司と壁当てを繰り返し、色々なことに挑戦させてもらい、2年でマネージャーになれました。
20代の時間を結構浪費したと思っていますが、逆に20代でさえもマインドセットにこれだけの年数を要したのです。
最近同じように地方銀行に就職し、今に至るまで続けてきた友人が転職相談をしてきました。
色々話を聞いて、20代の頃の自分を見ているようでした。
スキルを身に着けたいという彼が転職先に求めるものは、今の主任クラスの給与以上、ワークライフバランス、リモートワークができて資本金は5億円以上…。
彼は妻も子供もいます。私と同じ回り道を今になってしないことを祈っています。
そしてキャリアで悩んでいる方の何らか参考になれば幸いです。